自分の自動車を売却する際に「これだけは知っておきたい」こと
事例1.
マイカー売買契約後にキャンセルを申し出たが、「売主都合の契約解除は一切できない」と契約条項に定めてあると言われ、応じてもらえない
<事例内容>
転居することになり、車も持っていきたかったが、転居先で駐車場が見つからなかった。やむを得ず車の出張査定を受け、買取業者と売買契約を取り交わした。車内の荷物整理もあるため、1週間後に車を引き渡す約束をした。
ところが、引き渡し前に駐車場が借りられる目処がついたため、慌てて担当者にキャンセルを申し出たところ、「取り交わした契約書の契約条項で『売主都合による契約解除は一切できないものとする』と定めており、契約時にご説明していますので、キャンセルには応じられません」と言われてしまった。
説明されたかどうかはよく覚えていないが、もらった契約書の控えを確認したところ書いてあった。諦めて車を引き渡すしかないのでしょうか。
<回答>
契約書を取り交わして車の売買契約を結ぶ場合、相談者(売主)が買取業者(買主)の提示した契約書に署名をした時点で成立します。成立後は、双方が契約書に定められた条項、契約に対する責務を履行する必要があります。
契約上の主な責務は以下の通りです。(契約条項で定められている場合はそれに基づきます)
<売主>
- 契約車両を約束した期日までに引き渡す
- 買取業者から依頼された移転登録や抹消登録に必要な書類を約束した期日までに引き渡す
- 未納金や反則金がある場合は支払う
- 残債がある場合は精算する(買主に依頼することも可能)
<買主>
- 契約金額を約束した支払い方法で期日までに支払う
- 契約車両の移転登録や抹消登録の届け出を代行する
- (売主から依頼されている場合)残債精算を代行する
このようなことから、「相談者が契約車両を1週間後に買取業者へ引き渡すこと」は売主としての責務となります。
買取業者の責任者に早急に事情を説明し、契約解除の申し出をしてください。何の申し出もせずに期日までに車の引き渡しをしなかった場合、買取業者から契約不履行を主張され、損害賠償を請求される可能性もありますので注意してください。
<トラブルにならないために>
契約の際は、金額だけではなく、契約内容・条件、契約条項(重要事項)もよく確認してください。わからないことは、契約書に署名する前に納得がいくまで質問することがトラブル回避につながります。
また、相談者が「引き渡し前に駐車場が見つかったらキャンセルできますか?」等を担当者に確認しておけば、このようなトラブルに至らなかったかもしれません。気になることがあれば、契約前に相談してください。
基本的には一方的な契約解除は認められません。「説明されたか覚えていない」「よく確認せずに署名してしまった」といったことがないよう、十分に検討してから契約を取り交わしてください。
こうしたトラブルが発生した場合は下記に相談しましょう。
一般社団法人日本自動車購入協会(JPUC) 車売却消費者相談室
車売却のトラブル、まずはご連絡ください。
トラブルに巻き込まれても諦めないでください!JPUCが解決できる可能性があります。 車買取業界に精通したベテラン相談員が、困りごと、ご意見、ご質問に迅速にお答えします。 車買取におけるトラブルは、契約書の内容や状況によって対処するべき方法が異なります。 詳しい内容をお聞きしてからでないと適切にお答えすることが難しいため、お電話でヒアリングをした上で助言させていただいております。 お電話でのご連絡がスムーズです。 まずはお電話で、お気軽にご相談ください。 0120-93-4595受付時間 9:00 〜 17:00(土日祝定休) |