生保協会長 不正防止に業界指針意向
7月15日に就任した生命保険協会の稲垣精二会長(第一生命保険社長)は時事通信のインタビューに応じ、生保各社で相次ぐ金銭詐取などの不祥事を踏まえ、「業界全体の不信感払拭(ふっしょく)は協会のど真ん中の仕事だ」と述べたことが報じられました。
第一生命では2020年、元営業職員による計19億円超の不正取得が発覚。
その後も同様の事案が各社で相次いで発生していることから、不正防止に向け、業界で統一指針を検討する可能性については、各社の歴史や販売手法などが異なることを踏まえ、「一つの形式が全ての会社に当てはまらないケースがある」と指摘。
一方で、「大きな課題と捉え、(顧客保護などの)基本的な原則を徹底する必要がある」と強調したそうです。
また、生保業界として若年層の資産形成に向けた教育に注力する意向も表明、「人生100年時代」を念頭に、「金融リテラシー(の向上)を推進したい」と語ったそうです。
25年に国内保険会社に適用される新たな自己資本規制については「(保険金支払い能力を示す)現行のソルベンシー・マージン比率よりも将来利益を含めた評価になり、同比率の振れ幅が大きくなり得る」と指摘、円滑な導入に向け業界として準備を進める考えを示したそうです。