サイバー保険 中小で広がる
企業などがサイバー攻撃を受けた際の損失を補償する保険商品の販売が急増していると報じられました。
東京海上など大手の4~9月期の収入は前年同期比最大5割増えたそうです。
被害の詳細を国に報告することが4月から義務化され、調査などに経費がかさむため、自社への攻撃で製造業の供給網全体が停止するリスクもあり中小企業を中心に補償に備える動きが相次いでいるとしています。
サイバー保険は攻撃を受けた際に原因の調査や復旧などの費用を補償する商品で、月30万円の保険料で1件の攻撃あたり1億円の経費をカバーする商品などがあります。
個人情報が漏れた場合の対象者への賠償金や、工場が止まった際の被害額を補償する保険もあります。
4~9月期の保険料収入は東京海上、保険ジャパンが50%、三井住友海上は40%、あいおいニッセイ同和損保は28%伸びたそうで、21年度までに比べて伸び率が急拡大しているとしています。
その中でも、中小企業の加入が目立ち、攻撃を受ければ自社だけでなく、取引先の事業にも影響が出る恐れがあるため保険対応を急いでいるとしています。
3月には部品会社が攻撃され、トヨタ自動車の生産が停止したことも生じました。
供給網全体が機能不全に陥ると、取引先から被害額を請求される可能性もあります。
更に、4月の個人情報保護法改正の影響も大きいと分析されていて、個人情報が流出すると被害の詳細や原因を国に報告することが義務化され、外部に調査や復旧を依頼すると数千万円の費用がかかることも要因としています。