東京工業大学と東京医科歯科大学が大学統合へ
統合を協議していた東京工業大学と東京医科歯科大学は、2年後をめどに新しい1つの大学になることで基本合意したことが報じられました。
2つの大学は、それぞれの大学を残して運営法人のみを統合する案と、大学も統合する案との主に2つの案を検討してきましたが、国立大学の統合に必要な法改正を経て、2年後の2024年度をめどに新しい1つの大学になることで合意したということです。
新たな大学名はまだ決まっておらず、2028年3月までを移行期間として、組織改編も含めて具体的に議論するとしています。
2つの大学は、いずれも研究力が国内最高水準だとして国が指定している「指定国立大学」の1つで、10の大学しかない「指定国立大学」どうしの統合は実現すれば初めてです。
また、大学の国際競争力を高めるため国が年内に公募することにしている10兆円規模の「大学ファンド」の運用益の配分を受けられる「国際卓越研究大学」への認定を申請することも検討していて、工学や医学などの分野で世界レベルの研究力のある大学を目指すとしています。
東京医科歯科大学の田中学長は「2年ほど前に『医工連携』を進めてみませんかと私から声をかけた。新しい大学を誇りに思えるようにしていきたいので時間をかけて支持を得ていきたい」と述べました。
東京工業大学の益学長は「大学の長い歴史や実績、伝統は大事にしたいという思いもあり、葛藤の中で議論を進めた。一方で、世界に打って出るだけの新しいものを生み出せたのか危機感があり、新しい道を築くことが必要だと考えた」と述べました。
東京工業大学は国内有数の理工系の大学で、大学生と大学院生は合わせて1万人余りに上ります。
また、東京医科歯科大学は、医学部と歯学部のほか大学病院などを有し、3000人余りの学生がいます。