医療費 再び過去最高の44.2兆円
厚生労働省が16日発表した2021年度の概算医療費は、前年度に比べて4.6%増の44.2兆円だったことが報じられました。
新型コロナウイルスの感染拡大による受診控えの影響で20年度は医療費が減少しましたが、再び増加に転じ、過去最高となりました。
概算医療費は国民の病気やけがの治療にかかった「国民医療費」のうち労災保険や全額自己負担のケースを除いた金額を指し、今回、増加に転じるのは2年ぶりになります。
21年度に大幅な増加となったのは大きく落ち込んだ20年度の反動増の側面がありますが、コロナの影響が本格化する前の19年度と比べても1.4%増加していて、高齢化や医療の高度化の影響に加え、1日当たりの医療費が19年度比で7.3%、20年度比でも1.3%増えた影響が大きいと報じていました。
背景にあるのがコロナ禍で、マスク着用や手洗いといった基本的な感染対策の浸透で単価が低い呼吸器系の疾患などにかかる人が減って受診が抑制された一方、PCR検査など単価が比較的高いコロナ関係の診療は増えたと分析していました。
感染拡大による受診控えの影響は続いていて、21年度の延べ患者数は前年度と比べれば3.3%増えましたが、19年度と比べれば5.5%減でコロナ禍が本格化する前の水準に達していないそうです。