最低賃金31円上げ時給961円に
今年度の最低賃金の引き上げについて議論してきた厚生労働省の審議会は、現在、全国平均で時給930円となっている最低賃金の引き上げについて、全国平均で31円、率にして3.3%引き上げるとする目安を示したことが報じられました。
引き上げ額は昨年度の28円を上回り、最低賃金が時給で示されるようになった2002年度以降で最大です。
目安通りに引き上げられると全国平均で時給961円となります。
地域別の引き上げ額の目安は
▽東京、大阪、愛知などのAランクと
▽京都、兵庫、広島などのBランクが31円
▽北海道、宮城、福岡などのCランクと
▽青森、愛媛、沖縄などのDランクが、30円となっています。
今回の最低賃金の議論では、引き上げ自体に争いはなかったものの、引き上げ額をめぐって労使の意見が大きく隔たり、取りまとめの議論が、1週間にわたって延期される異例の展開となりました。
こうした中、過去最大の引き上げとなったのは物価の上昇、中でも生活必需品の値上がり幅が大きいことを踏まえ、最低賃金に近い賃金水準で働く人の生計の維持を重視したことが要因です。
実際の引き上げ額は都道府県ごとに設置されている審議会での議論を経て決まることになりますが、政府が全国平均の時給1000円の早期達成を目指す中今年度も大幅な引き上げが進められる見通しとなりました。